今日の入試問題(21 同志社大・社)
数列 は, であり,
を満たす。このとき,一般項は と求まる。
連立漸化式の問題ですね。
係数が対称の場合は,2つの式の和と差を考えると解き進めることができますが,今回は次の結果を見て分かる通り,あんまり嬉しいことが起きません。
そこで,ここでは2つの「気持ち」を紹介します。
気持ち① 連立方程式と同じように解けないかな
漸化式とは言っても,「連立」というからには連立方程式と似た方針で解けないかなあ。
ということで,連立方程式の解き方を思い出してみると,中学校で加減法と代入法の2つを習いました。結局は「文字を減らすこと」に尽きますね。
そこで,のうち,片方を最初に消去することを考えます。
今回はを消去してみましょう。 の式 )の形の式を作って,代入します。
より,
.
これをに代入して整理すると,
.
あとは3項間漸化式を解けば答えが得られます。
ちなみに,答えは
となります。
気持ち② 等比数列を作れないかな
漸化式は,基本的に
等差数列型
等比数列型
階差数列型
のいずれかの形に帰着させて解いていきます。
気持ち①は連立漸化式を3項間漸化式に変形しましたが,この3項間漸化式も結局は等比数列型に帰着させて解いていきます。
そこで,この問題もいきなり等比数列型あたりに帰着できないかなあなんて考えます。
を一つの漸化式に,しかも等比数列型にしたいので,
という形になってくれたらいい感じです。
この式を満たすを見つけるために,与えられた漸化式
を代入して整理すると
ここで,係数を比較すると
となり,これを解いて
.
よって,与えられた連立漸化式から,2つの等比数列型の漸化式
が得られます。
(A) より,
(B) より,
がわかるので,あとは差をとったりあーだこーだすれば答えが得られます。
ちなみに,(A*)を変形して得られる
をに代入して2項間漸化式に帰着することもできます。
いや、まあこれはこれで計算が面倒なのですが。
さて,今回はここまでです。初めての記事でしたが,なかなか難しいですね。
このブログでは,途中の細かな計算にはあまりこだわらず,「方針をどのような『気持ち』で定めるか」に特化した記事を書いていく予定です。
もしよければ今後の記事も見てもらえると嬉しいです!それでは!